捨て石島嶼防衛 その3

さて、連日書いてる捨て石島嶼防衛問題。壮大な森友学園問題ともいえるコレ。
勘違いしないで欲しいのは自衛隊自体が不要だとか
単に反戦ありきでなく、ただでさえ窮乏化してる国情において全くの必要ない軍事リソースを
「貴重な自然や住民の平穏な生活を破壊してまで無駄に割くな」

と、環境や経済的な観点も含め郷土愛の延長で当たり前の主張をしてるだけのこと。

むしろ「専守防衛の範囲で足りない部分は補強しろ」とすら思ってるくらいで
何よりも有事の有無に関わらず捨て石にされる自衛隊員を思って言ってますし
今後は愛国的な全体主義が増々加速するであろう戦前回帰な時代において、
こんな核心を突く意見は自画自賛なまとめサイト等が氾濫してる中、滅多に見れないでしょうし
ましてはタダなブログ上では貴重極まりないなことを、我ながら改めて前置きしときますよ(笑)

で、さてさて、戦術論的には島嶼防衛部隊が中国のセンサーキラーや物量投射により
完全なる捨て石になるのが前回の説明によって嫌でも理解できたと思いますが
(理解できない近視眼的な人々は今度も玉砕すればよいでしょう)
今度は、戦略的な話。中国が所謂A2ADと呼ぶ戦略における列島線。
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南西諸島も含めたそれに
そもそも中国は固執する必要がないのを説明したいと思います。

と、その前に、そもそも何故こんな捨て石島嶼防衛みたいなアホな事態になったか?
それを紐解くにはこの中国の戦略より、先に日本の愛国的な暴走を紐解く必要があるわけで
尖閣諸島がまだ領有権すら棚上げされた平和裏であった頃、軍艦どころかコーストガード
つまり警察ですらない漁民による暴走や挑発にまんまと乗って
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前事務次官なんぞ問題にならない守秘義務違反で国家機密であるビデオを漏洩したコレ
この時から自分はこの行為は今後大いなる禍根を残し、国益を損ねる事になると
危惧し警告してたのですが、やっぱりと言うか、そんな警察権の範囲内の挑発を
国際的なナショナリズム問題にまでエスカレートさせた張本人が
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まあ、五輪から島嶼防衛まで我らが口だけは実に実に勇ましい元都知事さま。
後先考えないコイツのせいで一気に中国の国粋主義者まで完全に挑発し
警察権の問題は国際的な領有権問題へエスカレート。

反日デモなどで中国進出企業へ莫大な損害を出したのは記憶に新しいところです。
いいですか、中国は領有権問題が復活した今も棚上げした昔も
一貫して尖閣諸島には警察権、つまり、コーストガードの範囲内で対処してるのに
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今や国粋主義者に溢れた国は安倍政権の暴走で更に加速しコレ。
貴重な国家予算から土建屋にカネ撒いて(与那国島では21世紀なのにベニヤ仕切りタコ部屋)
軍隊を遥か南の島まで急ピッチで整備してるわけで
挑発してるのは誰か?直近の歴史を見るだけで火を見るよりも明らかなんですが
そんな後先考えず愛国主義でエスカレートする自衛隊の対中封じ込め島嶼防衛のシナリオ。

エアシー・バトルimg_3
今度も指南役は米国でして、その中国のA2ADと呼ばれる列島線戦略に対抗する
限定戦争戦略がエアシー・バトル(以下ASB)と呼ばれる対抗戦略。
コレに基いて日本の島嶼防衛、つまり南西諸島が捨て石になる
海洋限定戦争シナリオも描かれてるわけ。

ですが、コレ
中国の発展や尖閣諸島へ一貫して警察権で対応してる現実や
後述しますが、そもそも中国は最初からこの列島線戦略に固執してないので
今や米国ですらA2ADという言葉すら使用禁止にして、シナリオを大転換しています。

中国は沖縄も含めて南西諸島の軍事的な機能を無力化するだけなら
前回書いたように今や造作もない状況なわけで、得られる経済的なメリットに対し
国際世論も含めた戦術的なリスクが過大だから
警察権の範囲でちょっかいを出したり、たまに軍隊で新技術の実証実験してるくらいで

そもそも南西諸島を含むエリアなんか最初からマトモに相手にしていないのです。

実に間抜けな話ですが、それを米国も感知したから
沖縄の海兵隊部隊をグアムへ後退させる新戦略を打ち出してるわけで
それを必死に思いやり予算で引き留めてるのが

そう、引くに引けない日本の自衛隊なんですな(笑)
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この辺野古や高江だって日本の防衛省が主導し
土人呼ばわりまでしてゴリ押ししてる裏には、この施設を上記のような
米軍ですらマトモに相手しない間抜けな、文字通り自衛隊の一人相撲な戦略へ使うためなのです。

思いやりで高いカネまで払って基地まで作り、これまた高いオスプレイやF35まで買って
戦う相手もいないのにエアーなバトルで実に実に笑える話ですが、自衛隊。
コレが最初でなく、前回も北海道で旧ソ連相手に同じエアーなバトルやらかしてまして
前回はデカイ戦車が無駄になり、今回はその2番煎じなだけ。

ただ、今度は結局は軍拡に負け破綻したソ連とは違い相手は成長する新興国。
今や米軍ですら予算が足りず基地も後退させようとしてるわけで
そんな中、警察権しか行使してない相手に
こんなカネのかかる一人相撲やってるんですから無駄使いとはまさにこのこと。
シーレーンお1
中国は上記の列島線へ拘らずとも外洋へ出る公海上のルートがあるのは
最近の空母艦隊の示威行動で明らかになりましたし、日本を兵糧攻めにするなら
わざわざ広大なシーレーンを列島線の中にある南西諸島だけに限定して戦争せずとも
いくらでも足の長い原子力潜水艦などで遮断することが可能ですし
実際に日本のシーレーンの上にある南沙諸島を要塞化しています。

そうしたほうが自衛隊や米軍の行動線は伸びますし、戦線が広大になればなるほど
防衛する範囲が拡がり中国にとって質で劣る戦力を量で十二分カバーできます。

実際にフィリピンからも撤退した米軍は
航行の自由作戦とか長距離移動の嫌がらせ作戦するのが精一杯。
平和裏に実効支配する中国には痛くも痒くもないでしょう。

つまり、日本やらが手出しして全面戦争になっても
商船などの通商破壊戦なら旧式の潜水艦や航空機で十二分。
しかもこの時代に護送船団方式組もうものなら弾道ミサイル等でまとめて壊滅なリスクがあるわけで
そんな広いシーレーンを軍事的にカバーするのは物理的に不可能ですし自給自足も不可能。

いいですか、この貿易立国時代には軍事力以前に
平和憲法などを基にした国際的な信頼関係が無ければ国自体が物理的に成り立たないのです。
これは現代の島国なら常識。

それなのに身の丈に合わない軍拡で相手にされてない相手を挑発して
まさに馬鹿の極みですが、そんな馬鹿の極みを70年以上前にやってるんです。この国は
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それを中国は理解してるから、悠々とマイペースで軍拡してるんですな。
日本の自称軍事通な自称保守派が馬鹿にしてるこのスキージャンプ式の空母も
艦隊運用や各種ノウハウを習得する艦としては、実に合理的で
南海艦隊
米国のように他国介入する必要性もないですし、艦隊防空と演習がメインならこの装備でも十二分。
文字通り当面はエアシー・バトルなんですから
イラクやアフガン戦争のようなカタパルトの要る他国介入な陸上攻撃能力は後からでも間に合います。

2番艦もこれの延長線上で外国製だったパーツ群を自国製にした練習&示威メインの艦。
中国国産空母2番艦は蒸気カタパルト搭載、ただし能力は限定的か―中国メディア
最新の情報では現在上海で建造中の3番艦(国産2番艦)は
同時射出が限定される通常動力ながら蒸気カタパルト搭載。

コレも各種ノウハウ習得がメインとすれば実に合理的なステップ。

中国は北、東、南、各艦隊の数自体は増えてません。
(ちなみに北が一番ショボい3艦隊の戦力配分も実に現実的で合理的)
つまり、古い艦はガンガン退役させ新造艦へ随時更新してるわけです。
そこが旧ソ連とは大きく異る点。

いいですか、中国は何も焦る必要はないのですよ。
日本は専守防衛ですし、南沙諸島は実効支配してますし。
自分から先制攻撃する必要は一切ないのですから、じっくり装備も更新可能。

むしろヘリ空母にステルスを、イージス艦へ巡航ミサイルを載せようとして
敵地攻撃能力とか言って先制攻撃をしようとしてるのは自衛隊のほう。

そんなの日本と国連無視の米国では通用するかもしれませんが
「お前らは相手のミサイルの目標が発射前に判るのか?」の一言で終わり。
相手からすれば、国際法上の正当防衛と反撃の大義名分にしかなりませんし、
その場合は国際世論も味方につけて容赦なく反撃されるでしょう。
(北朝鮮も同じですよ)

次回じっくりとやりますが、そんなマイペースに軍拡する相手と
補給線を水路に頼り衰退する島国が相手の挑発に乗り
というか自分から挑発しながら一人相撲な張り合いしてどうなるか?
賢明なら、有事が有っても無くてもその答えや愚かさもよく解るでしょう。

長くなりましたが、実に大事なことなんで最後にもう一ついきましょう。

ネットで検索すれば出てきますが、
今は米国もそのアンチA2ADという近視眼的な戦略性のない愚かさに気が付いて
ASBからオフショア、コントロールやバランシングという戦略に転換しています。
この論文を見ても解る通り
オフショア前置き
オフショアコントロール

従来の中国内部まで攻撃する近視眼的なASBは完全に核戦争の引き金を引くだけ
今や中国の戦力はそんなレベルでなく色んな観点からリスクがあまりも過大なんで
米国はショア(沿岸)からオフ(後退)してコントロールやバランシングする戦略をとったわけです。

そんな状況で、わざわざ身の程知らずにも敵の真ん前の
沿岸へ高いカネ払って配備する馬鹿がいるわけですよ(笑)

ね、ここまで書けば、もう言わなくても理解できるでしょ?
70年経ってもコレですよ。

で、あまりも近視眼的で愚かで間抜けな島嶼防衛。
まだまだ裏や穴がありまして、それは次回にて
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