捨て石島嶼防衛 その2

さて、有事が有っても無くても最初から完全に破綻してる捨て石島嶼防衛。
今回は有事の際でも破綻したそのシナリオをじっくりと解説していきます。

前回も言及したホップ・ステップ・ジャンプな3段階のコレ
「部隊配置」「機動展開」「奪回」の、3段階のシナリオから成ってるわけですが
CxSDEkrXAAARKVP.jpg
この図のように西は与那国島から奄美大島まで南西諸島へ事前配置された各部隊。
自衛隊のシナリオではそれらが最初から捨て石にされる前提になってるんです。
それは挑発や的にはなっても何ら抑止にならい部隊の規模を見ても一目瞭然ですし、
事前に奪回なんて意味不明なことを言ってる時点でバレバレ。
(捨て石なのはわかってても目先の利権や自尊心のためにまだ兵力は増やしますよ)
zuhyo02050104.gif
で、前回書いたように初動の物量投射で破壊された捨て石島。
それを奪回するための第二ステップである起動展開がコレ。
はるばる九州から馬毛島を経由し海上自衛隊版の海兵隊やオスプレイで移動し奪回しようと言うシナリオ。

最初からハッキリと言いますが、誰が先に手を出すか知らないこの南西諸島有事。
中国はこの老人ばかりで大した利益のない南西諸島地域へ上陸どころか
航空機や水上艦艇や潜水艦すら一切動かしませんよ。
CIMG5928.jpg
だって、利益は無いのに世界最高レベルの機雷や対潜部隊を載せるヘリ空母や潜水艦
水中マイクや各種対空装備や戦闘機がウジャウジャしてる戦域なわけで
わざわざ艦船や航空機が出張って、標的になった上に弾を無駄使いする馬鹿は自衛隊以外にはいません。

個人的にセンサーキラーと命名してますが、有事となれば中国はサイバーや電子戦と同時に
衛星や早期警戒機破壊等、先ずは自衛隊の目を完全に潰します。
こうすれば、CECのデータリンクも有しベースライン9でNIFC-CAやSM−6装備の米国の最新イージス艦と違い
ただでさえCECも無く独自ベースライン7.1Jで水平線以遠の目標を探知攻撃できない自衛隊のイージス艦へ
長距離巡航ミサイルも含む飽和攻撃が可能。

それに日米防衛ガイドラインにあるように日本の防衛は日本が主体であり
米国は補助。援助は期待できないですよ。だからデータリンクも下層しか共有していないのです。
そもそも補助はしても防衛する義務はありません。
(早い話が自分らが儲かる範囲でしか信用されてないのです)

海の上のイージス艦だけでなく、陸上の各種監視レーダーや奄美大島の陸地に配置されるような
中距離SAMもSSMも中間誘導のGPS衛星を失えば、無論、米国のようなデータリンクなんかないですし
完全に電波の届く水平線以内見通し距離以外は対応不可。長距離巡航ミサイルによる破壊対象。

この目を潰すセンサーキラーだけで、中国側はアウトレンジからガンガン飽和攻撃が可能になるわけで
自分から電波を出しESMで位置が事前にバッチリ探知可能な早期警戒機や衛星を破壊して
目潰しするだけなら難しいことではありませんし
電子戦による強力なジャミングやサイバー戦も加わればシステム化した各戦力を完全に孤立化できます。

中国巡航ミサイル
そうなればイージス艦も各種ミサイルも目は自分から発するレーダーだけが頼りになり
1500〜3000kmの射程を持つ巡航ミサイルによる飽和攻撃が可能です。
いいですか、中国本土の陸地から車輌により撃つCJ-10だけで射程は1500km以上あるんですよ。
与那国島から奄美大島まで全て射程に収まります。

目を潰された施設やイージス艦隊は、超低空を多数で同時侵入してくるこれらの飽和攻撃へ対処は完全に不能。
水平線以遠へ対処できるNIFC-CAやCECデータリンクのある米軍ですらセンサーキラー後に
これらの飽和攻撃されたら対処は難しいのに、リンクの寸断された自衛隊なんか完全に的も的です。

しかも地上だけでなくこれらの飽和攻撃はH-6など足の長い爆撃機や、
場合によってイージス艦や潜水艦など更にアウトレンジから発射されますし、各種弾道ミサイルも加わります。
巡航ミサイル搭載可な爆撃機が120機は稼働してますから、
各機4発搭載しただけでも480発もの投射量がありますし、フルなら6発搭載可。
ミサイルの足だけでも射程は1500〜2000kmありますから、
わざわざイージス艦や敵のミサイル網のある地域へ行かずとも安全な中国本土上空や
自衛隊の探知範囲外の公海上空から発射可能。
これに陸上からの巡航ミサイルと更にロフテッド軌道も含めて弾道弾が雨あられのように
施設や艦隊へ同時に降り注ぐことになります。

これらの飽和攻撃は中国でも日々進化してるISRや統合化されたCSIにより
各自重複することなく同時多発かつ自律的に目標へ随時誘導されますよ。
(今や日本を凌ぐスパコン大国をナメないほうがよいでしょう)

何度も言いますが、過去の島嶼防衛における戦訓が明らかなように
実際の戦場は経済や物量も含めた総力戦。
現実の有事はシナリオ通りにいくほど甘くはないのです。
自衛隊が想定する南西諸島戦域なんか中国は絶対に入っても来ないですし
上陸?奪回?そんなのなんか尚更有りえません。
次回に後述しますが、中国はその奪回部隊の拠点ごと核を使わず無力化する戦略的優位性があるのです。
19f463d2dc96fd4f5a0f8dde6cdb4831.jpg
097.jpg
しかも今後は南西諸島の遥か遠いアウトレンジから発射されるプラットフォームも
こんな巡航ミサイル搭載最新イージス艦やら潜水艦やら随時更新されていきますからね。
事前配置
つまり、自衛隊が想定するこんな都合のいい海域に出て行くことなく中国は
その遥かに外側から島内施設や艦隊を無力化するまで弾薬をガンガンに投射してくるのです。
そう、あの戦争でやった島嶼防衛と初動は完全に同じ。
ただ、上陸や進出する部隊が無く、よりアウトレンジになっただけで

こんな素人の自分ですら事前に想定できる常識的なことすら自衛隊は想定してるんでしょうか?
いや、してないのですよ。

自衛隊の認識なんて今も昔も近視眼な対処療法でそんなもんですよ(笑)

だってコレ、次回に詳しく書きますが
CIMG5930.jpg
自衛隊が失敗と認めるソ連が「上陸して攻めてくる〜」と戦車をアホみたいに作って
「シーレーン防衛」「3海峡封鎖」とか言ってGDP2%を
超える軍拡で壮大に戦車やらを無駄にし米国の軍産複合体にまんまと騙された
ソ連封じ込めの焼き直し追加バージョンなんですから。

あの時はバブルで、相手も衰退し破綻したソ連だから
デカイ戦車がオブジェになるだけで事なきを得ましたが、今度は違います。
敵の過小評価は慢心を生みますが、敵の過大評価は慎重さを生むわけで
戦前や冷戦期と変わらず今度も前者。

同じ焼き直しでも破綻したソ連と違い
今でも少なく見積っても年率5%で成長してる国。

向こうも旧ソ連艦隊の焼き直しな飽和攻撃ですがよりアップデートし
空母キラー
空母飽和攻撃
今や遥か遠洋を航行する米軍の空母機動部隊すらISR網でサーチし
弾道ミサイルでターゲットにしようとしてる相手。


OTH南西諸島
目との鼻の先の戦域なんか完全に把握してるのは間違いないですし
限定された海域を航行するヘリ空母率いる護衛艦隊なんか、
こんな水平線以遠も大まかですが長距離監視できるアナログなOTHレーダーで随時探知し
(ヘリ空母や随伴する護衛艦なら反射体として十二分な大きさ)
そこから衛星ですぐに詳細を確認できるでしょう。
いざとなればISRも専用の衛星を集中し更に移動式ミサイルの隠蔽&発射ポイントも含め
CIMG5931.jpg
暫時監視強化できる態勢を敷けますし、
わざわざモグラ叩きのように隠れる数が多いミサイル車輌本体を狙わずともth_CIMG5941.jpgth_CIMG5942.jpg
中間誘導のGPS衛星と絶対に隠蔽できない射撃用レーダー車輌さえ破壊すれば
地対空SAMや地対艦SSMなんてあっさりと無力化できます。

何度も何度も言いますが中国は衛星や早期警戒機も含め事前に敵のISR網を破壊可能。

2013082F152F922Fb0177792_1613423.jpg
そんな遠洋というか地球上を全域監視する敵の目との鼻の先で、わざわざ限定戦争しようとしてるわけで
遥か遠洋と違い目との鼻の先の南西諸島海域で、デカイレーダー反射板のヘリ空母が率いる艦隊なんざ完全に的。
陸上部隊や施設も同様ですし、足の短いステルス機載せて飛ばそうが
空母や陸上基地など、そのプラットフォームごと破壊可能なんで何の意味もないですよ。

どんなに静かでも、いずれは嫌でも浮かぶ通常動力の潜水艦だって同じ。
母港が破壊されて標的も無く取り残されたら、相手からすればじっくり料理するただの的。

兵器は殆ど米国頼りなくせにISRもデータリンクもイージス艦のベースラインも
JADGEなどへ落とし込まれるBMDのセンサー情報網も本家米国より数段劣る自衛隊の島嶼防衛は
ほぼ間違いなく中国からのアウトレンジ飽和攻撃により破壊されます。

THAADなどBMDを更新しても無駄。
そもそもベースのデータリンクや早期警戒衛星などのセンサーが本家より数段落ちますし
前述の巡航ミサイルは無論、弾道ミサイルもロフテッド軌道による集中投射や偽装的な軌道変更など
向こうは更にイタチごっこで更新してくるだけです。

これ、しかも今後は経済的に成長する国と衰退する国。
その相対的かつ根本的な差により更に悪化していきますからね。

しかも中国には、わざわざこの戦域へ出かける必要がない
そもそもな理由がありまして、それは次回にて

いいですか、漫画のような都合のいいシナリオは
実際の戦争では絶対に有り得ないのですよ。
スポンサーサイト

トラックバック