昨夜、夏に続いてNHK-FMで山下達郎氏の40周年を記念する特番のPart2がありました。


今回もまた
洋楽邦楽問わず古き良き時代のポピュラー音楽のオーソリティーである
クリス松村氏の絶妙な進行と共に
もはやこの国のこの時期における定番中の定番であるかの名曲はもちろん
まさしく職人技である一人アカペラのクリスマス・アルバムからも選曲されたりと
相変わらずファンには嬉しい素晴らしき特番
th_NCM_0278978950.jpg
th_NCM_02778951.jpg
個人的にはこの時期、教会などのホーリーで団体芸な合唱もいいですが
それらとははまったく異なる
ある意味、人工的な職人芸でありながら
人間にしか出せない独特なグルーヴ感を持つクリスマス・アルバムが
断然に沁みるというかお気に入りでかの名曲も英語バージョンで聴くと更にヨシ。

そんな氏の楽曲もFMラジオというアナログメディアで聴くと尚更に魅力が際立ちますし
氏の拘りのマスタリングで楽曲の色艶が増します。

そんなことよりも
さすが音楽に対して誰よりも熱いというか誠実である氏らしく
トークは今の音楽業界というか時代状況全体における本質に深く迫り
この色んな意味でクールジャパンな状況に反比例し白熱

当然、デジタル音源の進化とそれに伴う諸問題(敢えて”問題”と言いますが)へ話題は及び
ダウンロードが主流になりそうな時代において
th_th_NCM_00787970.jpgth_th_NCM_008908968.jpg

ワタクシも含めて全世界的にアナログ回帰もブーム化する状況

それへ対して

音楽が大衆音楽も含めて良い意味で”商品”であり”芸術”でもありえた
古き良き時代に人生の全てをポピュラーな音楽に捧げ
古き良きメディアへ常に熱意と拘りを持っていた山下達郎氏らしく
今更ながらアナログ回帰する時代状況へ半ば恨み節(これはよく解る)も入った
独自の見解を示していて

レコーディング業界だけでなく
家電や音響機器メーカーも含め今の音楽をとりまく
今後の時代状況全体に対して実に重要な問題提起をしてると感じました。

確かに氏の言うように
今更ながらアナログ回帰しても普及価格帯における
一般人が気軽で簡単に入手でき”使える”音響ハードウェアの存在は壊滅的ですし
家電量販店の売り場へ行っても殆どがミニコンポ

自分のような半ばマニアであれば
(個人的には自分は音響マニアだとは一切思っていないけど(笑))
音響専門メーカーが今でもそれなりに
少量生産してる普及価格帯の単品オーディオへ通販などでアクセスできますが
まあ、一般的な若者達はスマホにヘッドホンが主流

ホントに手頃で”使える”音楽入門のハードウェアがないですからねえ(笑)マッタク

さすが古き良き時代から音楽へ身を捧げてきた氏らしく
音楽はあくあまでも芸術的な作品の1形態であり
ハイファイやローファイという基準だけでは語れない
というのを認識していて
個人的にもマッタク同感で
敬愛してるeastern youthの吉野寿氏のソロ活動なんかまさにそれ

今時4トラックのカセットMTRで録音されたローファイでヘッポコな音源ですが
個人的にはどんな綺麗なBGMサウンドよりも
このクソッタレな時代状況をサバイバルする上でグッとくるわけでして

音楽は単なる商品でもなく気休めのBGMでもなく
もっと切実で何よりも生きるために必要な原動力にも成り得る存在であり
時には世界すら変える力があると未だに信じています。

誰になんと言われようと

だからこそこんな時代状況で恨み節を交えながらも
スマホで聴く若者達を否定しない氏の見解はさすがというか

ホント、自分も小さい頃は親父が使う今となっては良質なステレオなどありましたが
ローファイでチープな電蓄やラジカセなどのサウンドで育ち
それでも心の底から感動する音楽にいくつも出会いましたからね。

親父のターンテーブルやアンプへなんか物理的にも届きもしなかった小学生の頃

雑誌の付録のソノシート再生のために使用が許された赤白の樹脂製の電蓄
お年玉握りしめながら生まれて初めてレコード屋でおもちゃ気分で買ったドーナツ盤
TOM CATの”ふられ気分でrock'n roll”と
そのB面の確か国道16号を歌った曲
9702f9b9ac83f779f7992580e1c89426.jpgmiddle_1319549148.jpg
それがヘッポコな電蓄から流れた感動は未だに忘れられませんし

音楽はお金持ちな音響マニアがハイファイな価値だけで語れるような
チープな”商品”でないと信じています。

でなけりゃ、こんなバカみたいな時代に
必死こいて音楽、それもポップスやロックンロールなんか聴いてませんもん(笑)

フィリップスとソニーという家電界の巨頭が音楽メディアの規格を作り
各種家電メーカーが独自のレーベルまで持ち20世紀後半に花開いたポピュラー音楽

そういう意味で今は世界的なターニングポイント
特にソニーという音楽界の巨人を生んだこの国は特にそうで

アナログは無論、ハイレゾですら
普及価格帯にマトモな音楽再生のハードウェアがないという
問題提起は実に重要だと思います。

個人的にはアナログの延命には悲観的でも楽観的でもなく
まあカセットデッキのヘッドもレコードの溝もゴムベルトも有限と割り切ってますし
カセットデッキもプレーヤーも最低限の自己整備もできるんで、まあアレですが

今のアナログ回帰も俄仕込みな一過性のブームで終わるなら考え物
氏の言うように現代のアナログ盤は物理的な供給力の限界あるのも事実
カセットデッキに至ってはもっと絶望的です。

とはいえ、ダウンロード主体のハイレゾ音源が音楽メディア足りえるか?
というとこちらもハードウェアとクラウドの消滅で音源も消えるという
商品はともかく芸術作品としては致命的で根本的な欠陥を抱えているわけで

そのハイファイ過ぎる音質で失う”音楽性”の問題も考えると
実に実に大衆音楽にとって課題が多い過渡期の時代と思われます。

そういう意味ではホントに音楽は実利や合理では計れない
オカルトチックな存在なんです。マジで

だからこそ世界的に試行錯誤してるわけですが
個人的には氏と同じで、進化してるようで停滞
つーか、退化してる状況でもなんやかんや前進むしかない

音楽的な実存主義


そんな時代状況
20世紀に大衆音楽の隆盛へ寄与した日本ですが
そういう時代へアプローチできようが音楽という芸術形態を愛し前へ進むのは不変

中国などの新興国からそういう希望が生まれないとも限りません。

ハイレゾ音源が主流になるにしろアナログが流行るにしろも
音源を再生するマトモな普及価格帯の据え置き型ハードウェアや
SACDだけでないハイレゾ時代用の、パッケージメディアについては
個人的に色々と必要を感じてるんで、そんな話題はいずれまた。


しかしまあ、ホント音楽は捨てたくても捨てれませんし
ホントこんな時代状況だからこそ音楽的な実存主義で前進むしかないのを痛感した番組


そんな熱過ぎる話は海苔波形な音圧競争やNHKの存在意義?にまで及び
氏の今後の活動などファンとしては実に希望ある素晴らしい番組でありました。


スポンサーサイト

コメント


管理者のみに表示

トラックバック