うるせーだけだぞ!ラウドネスウォーなマスタリング

最近、90年代最前半までの古いCDやNHK-FMを聴いてて
特に感じることが最初の聴感上の音は小さいですが
小さい音からデカイ音まで幅が広い
ようは音のダイナミックレンジが広いということ

で、最近のCDや民放ラジオは聴感上の音はデカくて
瞬間的には良い音に感じますが、まあデカイ音も小さい音もドがつくほど平坦

コレは所謂
ラウドネスウォー(音圧戦争)と呼ばれるヤツでして
(その内容は検索して確認せよ)

ながら聴きの多いラジオ等でプレイされる曲の瞬間的なインパクトを良くし目立つよう
レコード会社などにより編み出されたマスタリング手法で

ようはじっくりと小さい音からデカイ音まで広大なレンジを
ユーザーが調整しながら深く(面倒くさく)味わうより

限れたレンジ内へとにかくパンパンに音を詰めて
聴取者がボリュームノブを動かすことなく(お手軽に)
小さい音からデカイ音まで瞬間的な音のインパクトを強く感じさせ
錯覚により音が良く感じられるので相対的に他の曲よりも目立ち
CDも売れるという、まあジャンクな手法

日本でも90年代にコレが始まり
浅倉大介等のサウンドメイクや
WANDSなどのビーイング系はこの手法の代名詞的な存在

ミニコンポやカーステレオなどチープでボリュームを上げられない機器でも
聴感上の聴き栄えがよくなるので
ミリオン連発の消費音楽ブームが花開き民放FMのパワープレーも盛んだった
90年代中盤〜後半までこのマスタリング手法がとにかく多用され一気に浸透

ついには普通のアナウンサーやパーソナリティがしゃべるトークまでも
コンプレッサーやリミッターで音圧を上げてド派手に装飾する始末

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上が小さい音からデカイ音まで自然な普通のマスタリング
下がジャンクなインパクトを最優先した銭ゲバなマスタリング

まあ、パッツンパッツンで
全体的に音圧を上げるということは音は平坦化するわけで
ボリュームノブを固定してるなら小さい音も派手に聴こえ
一聴すると良く感じるのですが、詰め込んだせいで小さい音からデカイ音まで横並び

ピアニシモからフォルテシモまで
音のダイナミクスをじっくりと聴きたい層にはひたすらデカイだけで聞きづらく
平坦化された音はなんとも味気無いシロモノになったわけで

音が小さい時やデカイ時はボリュームノブを調整する
という至極当たり前なダイナミクスを楽しむ概念をまるで無視したシロモノ


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これは所謂リマスター版などにも使われ
ビートルズなどの名盤はこの手法でド派手に装飾された遍歴があり
また最近になりラウドネスウォーなドンシャリサウンドから
過去の音源に近い音に戻るという事態になってます。


で、未だに日本はこのラウドネスウォーが全開でして
特に所謂JPOPなどのサウンドメイクにはこの銭ゲバサウンドメイクが基本

先日、NHK-FMでサカナクションの山口一郎君の番組
でこのラウドネスウォーなマスタリングに懐疑的な問題提起をしてて
彼のように音楽に比較的誠実な存在は少数でしょうね。

欧米でもこのラウドネスウォーなマスタリングへ懐疑的な流れは年々加速してるようで
個人的には昔のCDやアナログ音源は今のと比べて
まあ最初はショボイ感じですが
ボリュームノブを回すという当たり前の行為をして楽しむと
まあ、実に自然でダイナミックな音が楽しめるわけで
(ノイジーなハードコア・パンクですらダイナミクスに溢れてます)
最近はこっちばかり聴いてます。

ラウドネスウォーは今のジャンク化した音楽シーンをまさに象徴してますね。

特にjPOPな電子音が多用されたジャンルはこのマスタリングが基本で
個人的にはもういい加減にウンザリしてて
なんとかしてほしいところですが、まあ難しいでしょうねえ。

同じ音圧を上げる手法でも山下達郎氏のように
意図が誠実なら大歓迎なんですが、今のラウドネスウォーなマスタリングは
完全に音楽を蔑ろにしてるだけなので不誠実

そんなわけで個人的にはラウドネスウォーでないマスタリングの音源を厳選し
楽しんでいくしかなさそうです。
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