『それでも夜は明ける』

さてこの21世紀になっても搾取の構図は何ら変わらないどころか
増々貧困層と富裕層の格差は拡大

その上に人種間の差別も未だに根強いのは先程も書いた通り



そんな中で録画鑑賞したこの作品
なんだかタイムリーになるのが実に悲しいところですが

商売抜きでこういう作品が出てくるのもハリウッドの奥深いところで
ブラッド・ピットのアクターとしてでなく
映画人として社会的問題を切り抜きそれを作品として投影
世界中の多くの人々で問題意識を共有化するという
チャールズ・チャップリンから受け継がれる作品を通した問題提起は今も不変

そう、こういう作品こそハリウッドが本来的に持つ一面でして

悲しいことに
この21世紀になってもこの作品が問題提起する差別や搾取は
今も形を変えてこの社会に根強く残っています。

だからこそ実に意味のある作品。

こういう作品が日本では殆ど話題にならないのは
差別に興味が無いとかでなく
そういう搾取や差別が今も陰湿に横行している社会の腐敗を
何よりも示しているような気がしますし
なーんか邦題も目を背けず原題通りストレートに付けて欲しかったですね。

さて、作品の内容ですが
自由黒人であった主人公
日本では米国では昔の黒人は全て奴隷という固定観念が多く
北部などで自由黒人と呼ばれる奴隷でない黒人が存在したのを知らない人が多いですが

この作品はそんな自由黒人であった主人公がある夜突然
理不尽にも南部へ奴隷として売りさばかれる様が淡々と描かれるわけですが
まあ色々と酷いシーンの連続で人間の尊厳を全て奪われ
モノ同様に扱われた黒人奴隷の当時の状況が追体験できます。

しかし役者の演技も実に見事で奴隷役はもちろん
残酷な白人奴隷主を演じる側が最もスキルが要求されたはずで
その辺も実に見事に演じ切るあたり
映画を単に消費物として捉えない
真の意味でのハリウッドの奥深さ感じざるを得ません。


そんなわけで、同じように祖先がさとうきび畑で酷使され差別された
ナチュラルボーンな奴隷の血を引き、今も不遇に喘ぐ身としては
人事ではなく実に意味のある素晴らしい作品でした。

ホテルや高級料亭で会食してる全てが恵まれた
自分の自尊心だけが充たされない
役人や政治家のような特権階級の皆さんには関係ない作品でしょうが
労働者の多くが非正規雇用という事実上の奴隷階級化してる
この日本社会で生きる多くの人にとって十二分に観る価値のある作品

そんな作品を信念で世に送り出す
ブラッド・ピットに賞賛の拍手を送りたいと思います。

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