2001年宇宙の旅

いや〜やっぱりこの作品に戻ってくるというか
名作というのは時が経っても、というか時が経てば経つほど色褪せません。
th_NCM_0123.jpg
幼少期から何度も観てきたコレ
SF好きならこのフォントだけで痺れますな


コレを観ないでSFを語る奴はモグリ
てなくらい
言わずと知れたスタンリー・キューブリックの名作
「2001年宇宙の旅」

そんなわけで
敢えて視聴済み前提、ネタバレ前提で書きますが
まあ、若い頃からこの作品には興奮と葛藤が交錯して個人的には非常ならざる思い入れが半端ない作品
出口なき哲学とよく似た解釈を求め
何度も作品を鑑賞し原作本まで読んだ作品は
キューブリック作品では「時計じかけのオレンジ」と並んでフェイバリット

実際に哲学的な意義よりも重要な発見というか
最近、またHD画質で再鑑賞したら若い頃には見えなかった
ようやく個人的な解釈というか視点に至ったのでチト書き留めておきましょう。

その前にこのSF作品というか
映画史上超がつく名作にして40年経っても超されることない金字塔
この未だに色褪せない凄まじい作品

類人猿のシーケンスから始まるわけですが
モノリスに触発され道具として投げ出した白骨
th_NCM_0124.jpgth_NCM_0126.jpg
それが宇宙船に変化する映画史上空前のジャンプカット

人類400万年の進化をワンカットで表現し
その争いの道具として進化した人類のテクノロジーをたったワンカットで表現する
凄まじいまでの暗喩や比喩でありますが
その「美しき青きドナウ」が優雅に流れる宇宙船のシーケンスも圧巻

天体写真的な長時間露光で撮影された陰影が強烈な宇宙船のシーンは
優雅に流れるクラシックと相まって映画史に燦然と輝く美しさ

th_NCM_01308090909.jpgth_NCM_0131.jpg
パンナムのシャトル内も実にモダン

th_NCM_01328989899.jpg
その優雅な映像美は何度も観ても飽きず
もはや絵画的ですらあります。

th_NCM_0134.jpg

後の「時計じかけのオレンジ」で爆発する色使いが強烈な
ポップでモダンな世界がここでも踏襲されています。

そう、その優雅でモダンな映像美にこそ
この映画の本質がありそうで
4つのモノリスを巡り転結する結末に囚われてるとナカナカに見えてきませんでした。

若い頃はこの400万年に渡る人間の進化の顛末に囚われ
その解釈を求めて色々と葛藤したもんですが
th_NCM_0138.jpg
th_NCM_0139.jpg
このモノリスに導かれ
老いた主人公が最後にたどり着くロココ調ながら床が白く光る
美しくモダンで孤独な空間

モノリスを巡る主人公や人類の顛末は
原作本にある宇宙人の存在を暗喩してるのは間違いないでしょうが

th_NCM_0140.jpg
th_NCM_0141.jpg
老いた主人公が進化?か転生か?知りませんが
一つの到達点として「スペースチャイルド」が生まれ

最後にもう一度モノリスを通過して

「ツァラトゥストラはかく語りき」が響く中

その先にあるのは「スペースチャイルド」が地球を俯瞰した視点
th_NCM_0143.jpg
神やニーチェの「超人」などを暗喩したと様々な解釈などもありますが
そんなものに大した意味はありません。
確かに映画と小説がパラレルな世界観を踏襲してる以上
そういう解釈が含まれる要素は否定しません。

ですが、この映画の場合
最初からストーリーに対する解釈なんか人それぞれなんでもよかったのでして
敢えて小説とはパラレルな世界観にして(小説のほうが後追いともいえそう)
解釈へ直接的に繋がる部分を削ぎ落としていかようも解釈できるようにしがら
美を最優先したのも大きな確信犯的な意味があったのです。(個人的な見解)

作品自体を俯瞰してみると個人的には新しい解釈へ導かれます。

その作品へ意味を見出したがる教条的な姿勢
そう、
この映画自体がそれに対するアンチテーゼであり
意義よりも美を優先するキューブリックなりの耽美主義であり
何よりも美を優先する耽美主義へのオマージュなのです。

この映画には冒頭の類人猿シーケンスと
コンピューター「ハル」と主人公が対決するシーケンス以外
活劇的なカタルシスは一切ありません。

それも極極一部で

この映画のほとんどは台詞はもちろん効果音すら必要最小限な
芸術的な耽美で展開していき
この映画の本質はまさにそこにあります。

そう考えると
th_NCM_0144.jpg
あの美しいジャンプカットから始まる耽美的なシーケンス
その「美しき青きドナウ」と共に宇宙から美を俯瞰する視点自体が到達点であり
この作品を象徴してるわけで

敢えてキューブリックがこの作品に映画的なカタルシスを与えず
解りやすい解釈の余地すらも与えず美を優先したからこそ
この作品が未だに色褪せない普遍的な芸術性や価値を発揮しているのです。

そういう意味ではキューブリックなりの現代的デカダンスを象徴したような
「時計じかけのオレンジ」よりもその凄まじさは強烈

キューブリック的な耽美主義の象徴がこの作品で
「スターウォーズ」が10本束になってもたどり着けない
映画史に輝く至高に到達した文字通りの金字塔的な作品だと思われます。

久しぶりに別のキューブリック作品も観たくなってきました。
スポンサーサイト

コメント


管理者のみに表示

トラックバック