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2018年07月15日の記事 (1/1)

島嶼防衛という名の追い込み漁 その3

負けるのが確実な軍拡や戦争へ警鐘を鳴らすことほど、勇気が必要なことはありません。
それはあの戦争で証明済み。
愚かな臆病者こそ、貴重な国家財産を浪費し、批判する者を臆病者と弾圧、
二度と後戻りできない破滅的な道を突き進むのです。

この南西諸島における軍事要塞化もまさにそう。
じゃあ具体的に何が愚かなのか?予め早期に指摘してる論評も殆どありません。
そんなわけで、実に実に面倒くさいですが、個人的な自己防衛も含め、
このウェブログを使って警告的に書いてるわけです。
さて、自衛隊が仮想敵国の中国に対し100%負ける専守防衛シナリオに続き
今回は自衛隊がオスプレイやF-35や軽空母など急ピッチで整備を進める敵地攻撃能力。
それを前提にした先制攻撃シナリオの破綻。それについて具体的に書いていきたいと思います。

例によって結論から先に言いますけど
中国に対し自衛隊が先制攻撃しても
100%負けます。

先ず、最重要な前提として自衛隊が中国へ先制攻撃する理由も目標もありません。
何故ならば、自衛隊が高い高い予算を使うF35やスタンドオフ巡航ミサイルなどの敵地攻撃能力。
それらを装備する言い訳にしてる、日本に対する”ミサイル発射の兆候”
そんなもん中国にはありません。
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いいですか、中国の主要ミサイルは殆どが車輌移動式な上に固形燃料。
北朝鮮の液体燃料ミサイルような悠長な燃料注入など”発射の兆候”なんか事前に察知不能ですし
静止衛星と違って30分に1回程度しか上空を通過できない自衛隊の早期警戒衛星なんか
広大な中国本土から撃たれる発射炎すら察知できないでしょう。

そもそも、北朝鮮のミサイルへの先制攻撃ですら
「お前ら俺のミサイルの標的が事前に解るのか?」「透視能力者ですか?」
という、完全に有りもしない大量破壊兵器と同じ先制攻撃ありきでイチャモンをつけるレベルの話。

何度でも言いますけど、静止衛星やガメラレーダーなどがあっても
発射炎や発車後の弾道などは確認できますが、個体燃料で車輌移動式ミサイルの事前察知は不可能。
つまり、先制攻撃する物理的な理由が不正当な”侵略”以外に有り得ないのです。

知ってました?あのパール・ハーバーと同じ無茶苦茶な話ですよ。

今、自衛隊がF-35Bやオスプレイや軽空母やスタンドオフミサイル等
敵地攻撃能力を高い予算かけて装備してますけど、全て中国への先制攻撃には使えませんし
上記のように使う正当な大義名分や理由も一切ありません。
これは北朝鮮でも同じですからね。

自衛隊が想定するような中国が先に攻め、離島を”奪回”するようなシナリオ。
これは前回書いたように尚更、有り得ませんし、専守防衛で対処できますし、
何よりもただでさえ物量で勝る中国が先制攻撃するのですから、自衛隊は100%負けますよ。

確かに自衛隊は専守防衛にも関わらず米国製の兵器を高値で買い
ステルス機やステルス巡航ミサイルによる隠密的な先制打撃力
所謂”ファーストデイストライク”と呼ばれる戦争初日における先制攻撃能力を手に入れようと躍起です。

しかし、それは移動式の反撃手段を大量に隠し持つ中国が相手なら一切通用しないですし
米海兵隊による中途半端な遠征打撃群が活動できる場は
国連決議も無視して行う中東等へ武力行使する場合くらい。
つまり、自衛隊が高いお金かける南西諸島の自衛隊配備や
ましてそれを自衛隊自身が”捨て石”にして”奪回”しようとしてる最新の装備含め、全て無駄。
アメリカの弾除け以外にはね。

こんな初歩的な事を書いてるメディアありますかね?
必ず将来的には上記の理由により壮大な無駄が有事の有無に関わらず露呈しますよ。
断言します。
北海道にロシアが攻めてくると1000両も戦車並べ
700両を鉄屑にした東西冷戦時代より悲惨な事態になるでしょう。
経済面も含めて、予め警告しておきます。
それを更に具体的に掘り下げて書きますけど、こんな事書くメディアなんか戦前同様に皆無でしょうし
印象論でなく具体的な理由で自衛隊配備へ反対する論調もないでしょうから
自分でも言うのもヘンですが、これは将来的に渡り貴重ですよ。

警告は一度しか言いませんし、後は愚かな事実の検証作業になるだけ。

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自衛隊が米国製の敵地攻撃能力を駆使し南西諸島へ色んな意味で使えない自衛隊を配備しようが
中国にはそれを遥かに上回るIRBMやSRBMと呼ばれる
ロシアですら持ってない短中距離の弾道ミサイルや長距離巡航ミサイルを大量に整備中。
わざわざ陸海空と独立したロケット軍とするのは確固たる理由があるんです。
前回も書いた、弱点を補うオフセット(相殺)戦略というね。
それは現在進行系で拡張してますし、有事となれば確実に基地やレーダーサイト等はもちろん、
空港や港湾や発電所など、兵站を担うインフラも含めた固定目標は
何千発、下手したら万発単位のオーダーで、徹底的に破壊されます。
それが、中東やフォークランド紛争や、まして沖縄戦とは全く異なる最重要な前提。
成長する中国を仮想敵国にする有事を、甘く考えないほうがよいですよ。

それは前回も書きましたが、自衛隊が自慢のステルス装備を使い先制攻撃する場合も同じ。

そもそもF-35はブロック4と呼ばれる最新バージョンでないと
地上や海上の移動目標を攻撃できません。
th_maxresdefault (1)
それだけでなく自衛隊が軽空母に載せようと目論み、海兵隊が使ってるF-35B。
この着陸のみ垂直降下するステルス機ですけど、これまた自衛隊が装備しようとしてる
ステルス長距離巡航ミサイルを内蔵すらできません。
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意外と知られてませんが、この自衛隊が装備するJSM等の
新型の巡航ミサイルを積めるのはF-35でも地上の滑走路を使うA型のみ。
揚陸艦や軽空母に乗せるB型には収納すらできませんし、機外に装備したらステルス性が低下。

それ以前に、そもそも移動目標をどうやって補足するのか?という問題があります。
自衛隊の衛星は広い広い中国本土を30分の1回程度のタイミングでしか監視できませんから、
奇跡的に移動式の目標を察知しても、実際に攻撃する段では既に移動したり発射してる可能性が大。
そんなわけで、現実的にスタンドオフミサイルでステルス攻撃できるのは
動かない基地やレーダーサイトや空港など中国の固定目標だけであって
それも陸上から離陸するF-35Aに限られた話。
中国艦隊?本土から大量投射できるのに、わざわざこんなスタンドオフミサイルの的になる
南西諸島に海域に出る必要や理由やメリットがないですし出てきませんよ。
最後の最後以外は。
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上記に書いた中国が陸海空軍とは別に随時整備してる強大なロケット軍。
移動式のミサイルで構成されるそれはご覧の通り、地下の万里の長城と呼ばれる
地中に隠蔽されてる部隊も多いのでステルス先制攻撃の初動でこれらを全て探して潰さないと
確実に反撃されます。これは、途方もなく困難ですよ。

ステルス遠征攻撃となれば当然、空中給油にもステルス性が求められます。
そんな空中給油機は米軍にも無いので、いずもや米国から買わされた中古の強襲揚陸艦からF-35Bを飛ばすか
離島の滑走路から飛び立つ小編成のF-35A編隊を使って
ステルス巡航ミサイルをスタンドオフから放つか、直接侵入し爆撃するしかありません。
AとB全てかき集めても20〜40機あるかないか。
ステルス性が無いF-15にスタンドオフミサイルを搭載して攻撃する機体を足しても
内陸部の固定目標を叩くには、色んな面で限界があります。
仮にそんな程度のステルス打撃力で、中国の基地やレーダーサイトを中途半端に先制攻撃したらどうなるか?

確実に第二のパール・ハーバー。
侵略戦争のそしりは免れず、相手に反撃の大義名分を与えます。
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沖縄エキスプレスと呼ばるDF-16や長距離巡航ミサイルのDF-10など
これらの車輌移動式の打撃力はステルス攻撃でも絶対に全て潰せませんし
中SAMなどでも質量ともに対処不能ですから、
先ず固定目標である離島の駐屯地やレーダーサイトは軒並み潰されます。
ステルス機が発進した基地や奪回を目論む拠点も同様。
すなわち港湾や空港など各種インフラ固定目標や、
後からノコノコと支援に来る艦船や航空機等は本土も含めて徹底的に破壊されますよ。
下手したら核を撃たれるかもしれません。
それだけの事をされても文句が言えない先制攻撃。

それくらい自衛隊の先制攻撃論や島嶼防衛論なんか絵空事なんです。
だから米国も後方支援に留め、有事の際はオーストラリアまで引く算段。
当たり前です。嘉手納や岩国や横田や厚木や三沢も全部ミサイルで叩かれる可能性ありますからね。
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そもそも中国には米国のような空母型の中途半端な強襲揚陸艦なんかありません。
あるのはドッグ型の強襲揚陸艦のみ。この事実が全て暗示しています。
(世界第二位の経済大国。正規空母の配備に伴い、将来的には持つかもしれませんけど)

もう一つ当たり前です。こんな高くて中途半端に欲張りなのが機能できるのは
正規空母の庇護の下に活動できる米海兵隊くらいなもんですよ。
有事は上空警戒だけでもオン・ステージする機数が何機要ると思ってるんですか?
いずもなんか、露天係留も含め最大に積んでもF-35Bは精々12機がいいところで
上空警戒に割くとなると精々4機程度。
これじゃあ敵が攻めてくるであろう方位へ博打的に全振りで対処するしかありません。
それでも足りるか怪しいですし、残り8機で敵地攻撃能力するのですから投射量が落ちる理由が解るかと。
仮に12機を全部敵地攻撃へ回しても、もしその間に敵のステルス機や対艦巡航ミサイルらが
大量に攻撃してきたらオン・ステージの機数はゼロ、防空の対応力は更に落ちます。
自艦やイージス艦の限りある防空対処能力だけが頼り。
それだけでなくオスプレイ等で降下したりAAV7等で上陸するであろう
地上軍の支援に割く機数も含めれば、最低30機は積めないと話になりませんし
そこから早期警戒機に空中給油機や哨戒ヘリも要ります。
こんな中途半端なSTOVL機や強襲揚陸艦などの殴り込み装備が機能的に不足であるのは
F-35のA型やC型を使う米国空軍や海軍自身も知ってますし、自衛隊の改造空母なんか更に絵空事。
そんなにB型と強襲揚陸艦が万能なら、それだけで済むって話。でも現実は違いますよね?

あのハリアーを擁した英国ですらF-35Bの運用には6万トン級の正規空母に迫る巨艦を使ってるんですよ。
それくらい艦隊防空や敵地攻撃能力には機数が要るって話なんです。
それなのに高いカネ払って、中途半端にデカイのを買って(というか買わされて)
辺野古の美しい海も海兵隊と自衛隊版海兵隊のために埋め立てて
良い的になる漫画のようにバカみたいな話ですよ。オスプレイに至っては完全に論外。

そんなわけで前回も書きましたが、中国は経済や国際世論も含め
戦略上、絶対に攻めてきませんし、万が一攻めてきても絶対に自衛隊では戦略的に勝てません。
どっちが先に攻めようが、攻めまいが、自衛隊の防衛戦略なんか完全に破綻していて
米国を経済、軍事両面で利するだけの壮大な無駄でしかありません。
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今もこんな三菱重工製のミサイルに関する記事書いて、
南西諸島を軍事要塞化しようとしてますけど

th_太平洋回廊
この宮古島と沖縄間に合法的に開かれた回廊があるんですから
自衛隊がどんなに親方日の丸な三菱重工製の中SAMやSSM等のミサイルやら配備しようが、
海も空も何の牽制にも抑止にもなりませんよ。
そもそもこの辺へ対抗する中国製のミサイルのほうが今や高性能になってきてます。

中国にとってはこの国際法上認められた海路や空路を通過するだけで、
合法的に敵ミサイルのデータや反応やらダイレクトに収集できるので、
まさに願ったり叶ったり。間抜けなもんですよ。

こんな基本的な懸念をここまで詳細に書いてるメディアがありますかね?
あの戦前と同じ。上の記事は朝日新聞ですからね。
絶対に勝てない戦争や軍拡へ警鐘を鳴らすほうが、遥かに勇気が要りシンドイのです。

政治の延長に戦争があるならば、尚更、その前段階
つまり外交政策で仲良くするほうが建設的な未来を構築できるのですけど
挑発するかのように勝てない軍拡へ躍起になってますから始末に負えません。
その点、トランプ政権のほうが遥かにクレバーです。

僕の言うことは、旧ソ連で軍縮を訴えるのと同義。
それを想像してもらえれば、近視眼的な時代に対し長期的視野での未来予測を意図した
僕の警告の意義や時代の愚かさも理解しやすいでしょう。
そんな時代に印象論や感情論だけで将来的な懸念に警鐘を鳴らし反対しても、
目先の利益や脅威しか眼中にない相手へ説得力なんかありませんし、
中国の脅威を煽ったほうが基地や土建やなんだでカネにも票にもなりますからね。
軍拡推進の自称保守派にしてみれば楽なもん。

そんなわけで、今度も行き着くところまで行かないと理解できませんよ。
この国の国民性的にね。
豪雨被害者のように見殺しにされるのがオチ。あの沖縄戦から何も学ばんどころか
崇拝しながら先祖返りしてるんですから当然。

ただ一つだけ言えるのは、ここに書いた事は間違いなく当たり
有事があっても無くても自衛隊の南西諸島の防衛戦略は破綻するということを
予め前もって強く警告しておきます。

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